2日目 北岳バットレス ~第4尾根へ~
■2日目
白根御池小屋~二俣~バットレス沢~bガリー~4尾根取付~北岳山頂
~草すべり経由白根御池小屋~広河原~芦安P

2:00am起床。
テントから顔を出すと...満点の星空と月明かり
これはもう出発間違いなしです。
食欲は無いので二人ともスープで朝食を済ませ、必要最低限の荷物で
3:00am白根御池小屋出発。
暗闇の中ヘッドランプで二俣に到着。
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大樺沢は月明かりに照らされて明るい。そして不思議な雰囲気。
生暖かい風が強めに吹いてる。前と後ろにも同じくバットレス組みが一定の距離を置いて
歩いてる。



バットレス沢着
が、ここで、ダーのヘルメットベルトの止め具がなくなっている事に気付いた。がーん。
何故か盛り下がる二人。気を取り直し、安全ピンで応急処置して出発。
(お陰でこの日のダーの写真はみんなメットが曲がって写ってました。プッ)

bガリーまでのアプローチは何通りもあるらしく、
自分達はこのバットレス沢を上まで詰めて、最後にbガリーに向けてトラバースしていく予定。
他のパーティーは隣のC沢との間の草つきを登っていく。
(そちらはバットレス沢より実は歩きやすいらしいが露でびしょ濡れになりそうです)
岩がゴロゴロのバットレス沢を登っていく。だんだん空がオレンジ色に染まりだす。
明るくなってほしいような、もう少し待って欲しいような複雑な気持ち。
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下部岩場(bガリー)に到着すると先に3パーティ。
*夏休みも終わり、学生が居なくなった今、これでも空いているのかもしれません。
登攀用意をしながら待っていると朝陽が登りはじめ、下部岩場をオレンジ色に照らしだした。
皆もオレンジに染まってるよ。良い幸先。
3人パーティが登っていった後に続きます。
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《bガリー》
 この2ピッチはやさしそうなので、アプローチシューズのまま登りました。
 この上はまたアプローチになるので。
・1P目III ダーリード
 中央にクラックが走っていてやさしめです。右上のテラスまで。
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・2P目III 自分リード
 同じ感じの岩が続き、終点のテラスで終了。
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 ロープをしまってすぐ左にある踏み跡へ。(とても分かりやすいです)
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《4尾根取り付きまでのルート》
その先はC沢にぶつかりガレをトラバース。「4」のペイントV字ルンゼを左上すると
明瞭な踏み跡があり沿って歩いていくと4尾根の取り付きに出ます。
*4尾根の取り付きまでは人それぞれのようで、迷いも多いらしいです。
 これはあくまで自分達の取ったルートです。
《第4尾根》
取り付きでは既に先行パーティが登りはじめています。
ここでクライミングシューズに履き替え、ロープを出し、いよいよです。
核心は2箇所。ドキドキ。お天気がよくって、富士山が凄く綺麗に見えるよ~。
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・1P目V- ダーリード 
 最初の5m程の中央にはっきりしたクラックが走った壁が1つ目の核心です。
 この岩とても滑ります。ダーも少し滑っていましたが、危なげなく越えて行った。
 自分は体を斜めにしてクラックをレイバック状態で。じわりと体を上げて登った。
 フリクションがあまりきかない”ぬりん”岩でした。
 上手な人はフットジャムで登るのかな。その上はやさしいスラブ
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・2P目III 自分リード 
やさしめだが、ピラミッドフェースの頭を巻いて右に折れていくので、
 ロープの流れに注意が必要でした。
 ダーにアドバイスをもらい、支点の取り方を工夫する。
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・3P目III ダーリード
 白い岩のクラックと呼ばれるピッチ。あまり印象が無かったです。
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・4P目III 自分リード
 ここも印象がないなぁ...それとも記憶喪失?!
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・5P目V ダーリード
 2つ目の核心。最初3m程の”垂壁”と呼ばれている部分。
 けれどどう見ても”滑り台”です。いかにも滑りそうで、垂壁よりも怖いです...
 見た目はもうツルツルで、ホールドスタンス共に乏しい。
 前後の人もA0してましたが、A0のメッカのようです。
 ここは正面からではなく、右に逃げると多少易しくなるらしいです。
 ダー登る。
 慎重に足を運び、なんと正面からフリーで抜けていってしまったよぅ。うへぇー。
 無言の背中でガッツポーズをしてそのまま向こうに行ってしまった...
 *ダーは岩に来ると強いんですよね。
  ジムでは私より少しウマイのだけれど、外岩に来ると格段にウマくなってしまう。
  そんな時、急に遠い存在に見えてしまい、寂しい。私を置いていかないでー(TT) 
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 残された自分。
 ツルツルにスタンスを探し、体を上げていく。次はどこにと考えているうちに、
 ぬるぬると足が滑り出す。こわ~。暫くこらえて少しずつ上がる。
 ここは自分も正面突破で行きますよっ。
 ぬりん~クイックドローを回収するその手に何故か力が入ってる。
 「あ、やっちゃったA0です~」と誰に言ったのか声に出してた...
 2ピン目から上は右上のホールドが取れれば問題なく正面から上がれました...
 (だったら右からフリーで抜ければよかったよガクシ...)
 ビレイするダー上からだとA0したのが見えないので”やったネ”みたいな顔して見てる...
 全然”ヤレてない私”見ないで...
 『A0...』の言葉にダーの表情が急にくもった...その瞬間、
 斜めになったダーのメットから角みたいのが 見えたよ。

核心の後はリッジを進む。ここはリッジの真上を歩くので、結構高度感ありです。
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気づくとマッチ箱のピーク。ここから手前の懸垂点を使って10m懸垂。
懸垂点からはしたのテラスが見えないので見えるまで安心できません。

・6P目IV ダーリード
 つるんとしたスラブフェースで右端にクラックが走っている。
 小さなスタンスを確保しながら。最初の2ピンだけクラック沿い。
 あとはスラブ中央を突破していく。クラックはほとんど使わなかった。
 ここはまた他のピッチと違って面白かったです。
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登りきり振り返るとマッチ箱の姿をはじめて見ることができます。
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おーあそこから懸垂したんだねー後続の後続の人。
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・7・8P目III+ ダーリード 
まとめて実質最後のピッチ。
 ルートは左。間違えて右に行くとⅤ級らしい。
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 途中、岩の割れ目をまたぐ。またぐというよりは岩の割れ目に岩が挟まっていて、
 その上に足を置いて通過。
 (「これ、乗っかって大丈夫?!」とダーに大声で聞いてしまった...
  だって実は皆またいでいて、自分だけ乗って岩と落ちたりしたら困るしね)
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 その先はビレイするダーをそのまま通り過ぎ、II級程度の易しいスラブを歩いて上がると
 大きなテラス。4尾根の終了点に到着です。ふー。
 ずっと一緒だった先行パーティの方々に『お疲れ様!』と声を掛けていただきました。
 終了点でお互い労い合う♪ってバリエーションならではですよね。
 完登するのを見届けてくれる人が居るってなんだか嬉しいです。
 あ、そうそう、忘れていましたが、ダーもノービレイでテクテク上がってきました。
 「お疲れ様!」
 
浸っている暇は無く、ハーネス登攀具、ロープをしまい、そそくさと山頂を
目指すこの15分がとても辛い。
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おっ、あれは北岳山頂ではないかっ。
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11:40am 山頂に到着です。
*この写真のポーズ「チャレンジアルパインクライミング南アルプス編」をお持ちの方は
 20ページをご覧下さい。
 私は全然気づかなかったですが。。。
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写真を撮り、3人パーティの方々に挨拶をしてそそくさと下山開始です。
彼らは朝のうちに二俣にテント類をデポしていて、八本歯から二俣経由で下山するらしい。
その方が早い。しまったと思った。
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肩の小屋。テント場の眺めは本当によさそう。
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白根御池小屋を目指して降ります。
山っぽくっていい景色だなぁ。一面に広がる秋の色。山って本当季節を先取り。
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草すべり経由で小屋までとばします。アプローチシューズがなかなかグーです。
砂利でも、岩でも滑らず快適でした。

1:10pm 白根御池小屋に到着
17時のバスには間に合いそうでホッと。
ここで今日初めての休憩です。大好きなコーラも。
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テント撤収後、2:10pm出発
広河原に向けて。
苔むした登山道は八ヶ岳みたいで癒される。
人もほとんど居ないよ。
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途中の水場のお水は本当に美味しかった!もって帰りたいくらい。
さすが南アルプス天然水。
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広河原に到着 3:45pm
16:00発のタクシーに乗ります。
なんとタクシーでは”冷たいおしぼり&冷えたお茶缶”のサービス付き。
バスと100円しか違わないのに。嬉しかった。ふたりして顔をふきまくり(笑)
芦安Pへ戻りました。
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《感想》
第4尾根。あまりにも有名であとずさりをしていたけれど、
本来は初級者向けの楽しいルートだと思いました。
スラブあり、クラックあり、リッジ歩きも懸垂もあり。さらには取り付きまでのルーファイ。
アルパインの色々な要素が詰まったいいルートだなぁって思いました。
登っているときは”もう来ないかな”と思っていたけれど、
核心をもう一度登りにいってしまいそうな感じです...
そして、アプローチが長いのでそれゆえの達成感も得られると思います。
人気ルートには人気要素がちゃんとあるんですね。

今回、つるべで登った場面が多かったので(易しいピッチのみリードしました)
ロープは多少のねじれは発生したものの、キンクはほとんど無かったです。
いいお勉強になりました。

そして最後に 素晴らしい晴天を南アルプスの神様ありがとうです(T-T)
by kuchakucha | 2006-09-13 02:14 | アルパインとか
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