ファーストエイド講習 2007
2007.2.4
前回の雪崩事故防止講習会の際に情報をGETしたので受講してきました。
一日で一体、何処まで学べるのかと不安気味でしたが
背景が山なので結構面白かったです。

*十代の頃に日本赤十字の『救急法』は学んだことがあるのですが、かなり昔の話...
 その時は夏休みに丸3日間受講後、筆記と実技の適任試験というそれなりの期間でした。
 確か当時の受講内容は包帯法(全身部位)、蘇生法、止血法各種、運搬法各種など。
 必死に勉強した記憶があります。あの頃は三角巾をいつでも持ち歩いてました...
 がっしかし、今では包帯法もすっかり忘れリセット?!
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医学は進み、色々変わっているようですね。蘇生法なんて何度も変わってるみたいです。
聞いただけでも、心臓マッサージとマウストゥーマウスの回数もかなり違いました。
こういう講習に出て、新しいガイドラインを随時受け入れて行かないといけないですね。
ってことで今後も、まめにチェックしていきたいと思います。



9:15 開講
噂には聞いていたのですが、受講者が多い!
ぱっと数え、座っている人だけで60人位は居たと思います。
広めの会議室壁際にイスがみっちり。一部は2列になるほどです。
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○ファーストエイドの概要
 目的や必要性、先生の経験談を交えて。
 医療機関へ搬送する前までに自分達ができることそれがファーストエイド。
 ・手当ての優先順位(流れ)
  意識の確認⇒気道確保⇒充分な呼吸⇒効果的な循環維持
 ・蘇生法の連鎖について
  早い通報⇒早いCRP(蘇生法)⇒早いAED⇒早い医療機関での救命処置
 ・山での事故の特殊性
  厳しい自然環境下、限られた手当て、難しい決断、困難な場所
  など。下界と違って悪いことだらけ。
  だからこそ、必要な知識。
○救助要請について 
 判断と要請手段
○傷病者へのアプローチ
 どのようにして近づくべきか
 近づく前に二次事故の危険性は無いか
 声をかけたあとの最初の確認事項
 受傷機転を考える
 緊急連絡シートの記録
 高エネルギー事故の場合の初期対応
 救急隊員への報告(MIST、SAMPLE)
○出血のコントロールと体位の変換
 出血とその症状(出血の種類について) 
 止血の方法(これは今一番有効である直接圧迫法に限るらしい)  
 体位とその変換について
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 擬似血液で出血量の目分量を体験
 ⇒30平方cmで100mlというのが目安らしい。
  出血を見てすぐに驚かないように。冷静に。(生命危機の出血は相当な量)
  写真は驚く出血量だけれど、実際は150ml程度。
  *偽血液と怪我人役の先生
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○包帯の使い方と手当て
 傷の種類
 傷口の洗浄(山ならではの洗浄工夫がある)
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 保護ガーゼ&三角巾を使った方法
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 捻挫・骨折の手当て
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 応用編
 ⇒スーパーのビニールで腕を吊ったり、ストックなどある物での固定など
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  ・筒状ビニールを膨らまして固定する「応急ギブス君
   ウチはこれいつも持参してます。(使った事はまだないよ)
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  ・ストキングで頭、腕足、顔(頬)など何でもできそう。
   一番使える!と思ったのはストッキング。
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  ・SAM SPLINT&三角巾による固定
   ⇒山屋さんにはよく置いてありますよね。
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○疾病(急病)について 
 症状(頭痛や胸痛の際に疑うべき急病とは)
○最後に総合的なシミュレーション 
 班に分かれ、流れに沿った手当てを体験
 リーダーの指示の元、上記で学習した「アプローチ~包帯法による手当て」の実践。
 ・講師の方々がそのたびに色々な特殊メイクで登場。
  かなりリアルなメイクや洋服の破れと砂汚れもあり。
  T講師の痛がり具合が激しくて面白い(笑)
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 ダーの班
 お、活躍気味。傷口洗浄
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 まきまき
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 ・自分達の班
  つまずき、転んで足首を痛がっている登山者を発見。
  アプローチから、体位変換、アイシングなどまでは良かったのですが、
  靴紐を緩めて足首の下の方まで確認しなかった事を先生に指摘されました。
  靴紐を緩めてみてみると、しっかりと青アザ特殊メイクが施されていました。
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シミュレーション手当てで気づいた事
それは男性よりも女性の方が圧倒的に冷静だった事です。
普段はどっしりとした山男なのかもしれませんが、
けが人を前にオロオロ気味、説明がたどたどしい、暴走する方など...(正直ウケました)
女性は手際よく手当て、体位の変換、記録などを行っていました。
特にお母さん世代は素晴らしかったです。かなり冷静でした。さすがです。
得意分野は男女で違うようですから、山のチームって男女必要なのですね。
それぞれ適任があるってことで。

17:30になっても終わらないといった感じで、先生も大変そうでした。
人数が多すぎたのかなぁ...。   
講習内容は1日なのでディープではなかったです。浅く広くといった感じでしょうか。
しかし、この講習により、忘れていた記憶(包帯法など)がそれなりに蘇りまた、
今現在の方法や考え方というものも知ることができました。
得るものは多かったです。
受講中は山の中でそのような状況に陥った自分をずーっと想像し、
シミュレーションしながら聞き、作業していました。イメトレです。

講習内容は全て山での事故を想定していますし、それに沿った方法です。
このような講習を受講した事が無い方は受けておくといいと思います。
知識があるのと無いのでは大違いですよね。

帰りにG講師とお話しし、お別れして「楽しかったね~」と帰ったのですが、
すっかり”アンケート用紙”を提出するのを忘れて帰ってきてしまいました...。
by kuchakucha | 2007-02-07 20:49 | その他のたび
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